決算期変更で突然の利益を節税しよう!

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急に大きな取引先の開拓に成功した。突然、高額の取引が成立した。こうした理由によって突如として多額の利益が発生してしまうということがあります。その時、あなたは新たなビジネスのフェーズの入口にいるのです。

そうした状態はラッキーな反面、多額の納税という問題を発生させます。

せっかく稼いだお金ですから、税金で流出させずに、自社の成長のために投資したいですよね。

そういう時には、決算期変更を検討してみてください。突然多額の節税対策をすることは難しいので、あなたの助けになる可能性が極めて高いと思います。

(出所:1-1-1-1 決算期の変更

1.決算期変更による節税の概要とメリット

決算期変更をするとメリットがあるのは次の様な状況の場合です。

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2月までの累計利益が250万円であるにも関わらず、3月だけで1,000万円の利益が見込まれる場合、3月決算のままにしておくと、 

1,250万円×30%=375万円

の法人税等を支払うことになります。この金額は、通常月における利益の3倍であり、かなり税負担が重くのしかかります。ここで、2月決算に変更するとするとどうなるかというと、

250万円×30%=75万円

 の法人税等を支払えばOKとなります。

決算月を変更したことで、

 75万円-375万円=△300万円

目の前の納税を、300万円も減らせることになります。中間申告まで考えますと、1年以内に支払う法人税等の金額は450万円近く少なくなります

決算期変更で年間450万円のキャッシュを産み出すことが出来るわけです。これは「やらない方がおかしい」といえるかもしれません。 

 

2.決算期変更は他の節税対策と組み合わせて実施する。

3月の利益1,000万円は来期に繰り越します。ということは、何もしなければ、結局、法人税を支払うことになります。

つまり、節税対策としての決算期変更は単独で存在するのではなく、他の節税対策と組み合わせて実施することで意味をなすことになります。我々専門家としては、お客様の状況に応じて、50個ある節税対策の中から、最適なものをチョイスして提案することになります。決算期変更は、云い方をかえると他の節税対策を実施するための時間的猶予を手に入れるという意味があるということでです。

しかし、実は、ここに大きな落とし穴があるのです。

節税した資金の使い道を節税に限定して考えてしまうと、気が付けば、また元の儲からない会社に戻ってしまう可能性が高くなってしまいます。

あなたが、会社が大きくなることを望まない、更に利益が欲しいということでないのなら、それでも良いのですが、さらなる成長を求める経営者だったとしても、決算期変更をしたことで節税対策ばかりに目を向けるようになってしまうとしたら、非常にもったいないことだと思います。

そこで、2つにパターンを分けて、決算期変更に組み合わせる施策について提案してみたいと思います。この2つのパターンのいずれか、または組み合わせで自分にピッタリあった対策を行って下さい。

 

3.成長志向の経営者向けの施策

成長志向の経営者であれば、節税したキャッシュは、より一層自社を成長させるための「投資」に回すことをオススメします。まさに、決算期変更を必要とする現在の状態は、自社の事業を乗数的に拡大させる好機と捉えるべきでしょう。そう考えると、決算期変更をしないという選択は、自社の成長資金をムダに流出してしまう愚行であるといえるでしょう。 

仮に投資に失敗したとしても「節税」ということになります。無駄遣いは禁物ですが、普段試すことを躊躇するような分野に対しても投資するチャンスを得ることが出来ます。

うまくすれば、新たな利益獲得機会が生まれることでしょう。いずれにしても時間はあるのですから、投資の結果が良好であったのなら、その利益も含めて節税対策も考えれば良いということです。

何に投資するかについては、こちらの記事が参考になると思います。(全ての起業家に捧ぐ!売上を上げて黒字化するための全手法43+1

4. 現状維持で良い経営者向けの施策

4−1.役員報酬の変更

節税対策という意味では、決算期変更と、役員報酬の改訂はワンセットで考えておいて良いと思います。

というのも役員報酬の変更には、厳格なルールが定められていて、決算期の途中での変更は原則として認められていないのです。もし、期の途中で役員報酬を変更した場合、その変更した部分の金額は損金不算入となってしまいます。

しかし、期の途中で変更できないだけですので、決算期を変更すれば、新しい決算期が始まることになるので役員報酬を変更しても、全額を損金算入で変更することができるのです。 

先ほどの例で確認してみましょう。

3月に発生する利益が1,000万円ありますので、このうち800万円を役員報酬(賞与)に充てたとします。そうしますと、以下のような課税関係になります。

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3月決算の会社が3月に800万円役員報酬を増額すると、法人税率30%と計算すると240万円余計に税金を支払うことになります。この余計にはらう税金はそもそも利益にかかる税金に追加されることになりますので、615万円(=375万円+240万円)となります。

2月決算に変更したうえで、役員報酬を増額させれば、役員報酬の変更部分には追加の課税はないので、75万円の課税ですみます。

結果として、両者の差が更に広がることになります。

4−2.その他、よくある組み合わせ

今後、継続的かつ安定的に利益が見込めるのであれば、次の節税対策が効果的です。

4−2−1.経営セーフティー共済 (中小企業倒産防止共済)

掛金が全額損金算入可能。一定期間積み立てると全額戻ってきます。

大口取引先が倒産した場合には、掛金を担保に運転資金の借入を受けることが出来ます。

4−2−2.生命保険

保険の種類によって損金算入される割合や処理の仕方が異なりますが、節税しながら簿外資産を積み立てることが出来ます。

契約者貸付といって、解約返戻金を担保にして運転資金を借り入れることも出来ます。

5.決算期変更の仕方

決算期変更は、拍子抜けするほど簡単な手続きで行うことができます。

決算期変更の流れは以下になります。

(1)2月中に臨時株主総会を開催し定款変更の決議を行う

(2)決算日を変更した旨を税務署に届け出る。

決算日は定款に記載されているため、株主総会において定款変更の特別決議を行う必要があります(会社法309条2-11、466条)。

株主総会というと大変そうですが、オーナー企業の場合は実質自分で決めて終わりになります。

最後に、異動届出書を税務署に提出すれば完了です。

当然、申告書の提出期限や納税期限は、新しい決算期に併せて変更になりますので、それを忘れないようにお願いします。 

6.決算期変更について税務署はどう思っているのか?

決算期変更をオススメすると、よく「税務署の心象が悪くなるのでは?」と聞かれます。

あなたもそう思われたかも知れません。

ですが安心して下さい。決算期を変更してはいけないというルールはありません。実際、上場会社であっても毎年20~30社が決算期を変更していますので、そこまで珍しい話ではありません。

ただし、決算期を変更する理由が「節税のため」だとしたら、税務署をやる気にさせてしまうと思います。大きな利益を得て、会社のフェーズを変えるということにフォーカスして決算期を変更すれば良いと思います。

それ以前の問題として、株主総会の議事録が存在しないなどの不備については、お気をつけ頂きたいと思います。 

7.さいごに

決算期を変更するというのは、かなり驚かれたのではないでしょうか。実際、私もはじめて代表から聞いた時には、かなり驚きました。何となく、臨時株主総会を開くとかはハードルが高い気がしたんですね。しかし、オーナー企業であれば難しい話ではありませんし、目先に大きな利益が出る予定があるのであれば、検討してもみる価値があると思います。

さて、決算期変更を含めて50個の法人税節税対策を無料公開している全ての起業家に捧ぐ!法人税の全節税手法50とその手順【保存版】」は、毎日多くの方に読んで頂いています。この記事をベースに、法人税の全節税手法50とその手順をまとめたPDFも無料で配布しておりますので、ご興味がある方はこちらからご登録下さい。

 

【Q&A】

補足として、QAを載せておきます。

Q1.事業年度は1年でなくても良いか?

問題ありません。

事業年度は会社で決めるものですので、1日であっても10年であってもOKです。ただし、事業年度が終わると確定申告をしなければなりませんので、例えば1日を事業年度としていたら、毎日確定申告をしなければなりません。現実的ではありませんね。

また、法人税法では事業年度が1年を超える場合、1年ごとに区分した各期間を事業年度とすることとされています(1年未満の端数がある場合はその期間となります)。 例えば1年半を事業年度とした場合、最初の1年が1つの事業年度、残りの半年が次の事業年度となります。毎年事業年度の期間が変わってしまいますので、こういった会社はまずないでしょうね。

このような理由から、事業年度は1年である会社がほとんどなのです。

Q2.決算日は月末日でなくても良いか?

問題ありません。

上場会社でも決算日が末日でない会社は結構あります。例えば、自転車販売大手である「㈱あさひ」は、2月20日が決算日です。

Q3.決算を変更した期の確定申告について

決算期を変更した場合、その期間の末日から2ヶ月以内(延長申請をしている場合は3ヶ月以内)に確定申告書を提出します。今までとは日が異なりますので注意して下さい。

Q4.株主総会の招集はいつまでにするか

新しく決算月となる月の月末までになります(先述の事例ですと2月末日)。

また、株主総会の議事録・新定款は大切な証憑となりますので、大事に保管しておいて下さい。

Q5.異動届出はいつまでに出すか

条文上、「遅滞なく」、その変更前の会計期間及び変更後の会計期間を納税地の所轄税務署長に届けるようにとあります(法法15条)。遅滞なくと聞くとのんびりでも良さそうですが、税法では、「直ちに」「遅滞なく」「速やかに」の順となっており、遅滞なくは、基本的にはすぐ出して下さいねという認識です。

変に勘ぐられても何ですから、事業年度を変更したらすぐに出すのが望ましいでしょう。


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