「役員報酬の所得税が高いため、配当金で受け取ると節税になるのか?」という質問をいただくことがあります。
確かに配当金は配当所得として扱われ、源泉徴収で20%の税率が適用される場合があります。
しかし、この方法が必ずしも節税につながるとは限りません。
この記事では、配当金の仕組みと役員報酬の節税に関する私の見解を詳しく解説し、より効果的な節税方法をご提案します。
※この記事を文章で読むより動画で確認されたい方は、この記事の末尾にある動画をご覧下さい。
1.配当金の税金は安いという大いなる勘違い
配当金は、一見すると所得税が比較的低く抑えられる方法のように思えます。上場企業の少数株主であれば、源泉徴収のみで課税が終了します。株式投資をしたことのあるオーナー社長は、それを良くご存じなので、役員報酬で受け取るより配当の方が良い、と思うのでしょう。
しかし、オーナー社長が受け取る自社株式の配当の税率は、源泉税率20%で終わりではありません。
源泉分離課税で少額の納税で済むのは「小口株主」だけです。3%超を保有する大口株主は、配当を受け取っても源泉分離課税を選択することは出来ません。役員報酬と同じく、総合課税の対象となり、役員報酬と合算されて、高い税率が適用されます。役員報酬で受け取るか、配当で受け取るか、選択可能なオーナー社長が、税金が安くなるように、双方の金額を決められないように、税法は上手に作られているのです。
配当で受け取る場合の唯一のメリットは社会保険料がかからないことです。社会保険料が高いので、少ししか役員報酬を受け取れない社長の場合には、配当金で受け取るメリットが出る場合があります。
2.配当金の二重課税問題
配当金は、会社が法人税を支払った後の利益から支払われます。そのため、配当を受け取る株主は、法人税が課された後の金額にさらに20%の所得税を支払うことになります。これにより、二重課税が発生し、結果として手元に残る金額が少なくなってしまいます。
3. 役員報酬を活用した節税のメリット
一方で、役員報酬は会社の経費として認められるため、法人税を減らすことが可能です。
役員報酬を受け取りながら、個人での節税対策を行うことが重要です。事業所得の赤字と給与所得を損益通算することで、役員報酬の支給時に法人側で源泉徴収された所得税を取り戻すことが出来ます。トランクルーム事業や築古不動産事業を始めると、こうしたことが可能になります。
4.まとめ
節税を考える際は、目先の税率や所得税だけでなく、全体的な手取り額や会社の財務状況を考慮する必要があります。役員報酬を適切に設定し、個人での節税対策を併用することで、法人税と所得税の両方を効率よく節約できます。
配当金を利用した節税は、一見魅力的に思えるかもしれませんが、二重課税の影響を考えると、必ずしも最適な方法ではありません。
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すべて税金の仕組みを利用して実現しているもので「脱税」ではありません。
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山口 真導
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