顧問税理士が節税提案をしない理由とその対策

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毎週、ほぼ1回節税セミナーを開催して7年ほど経過して、まもなく累計300回になります。その中で、多くの経営者から以下のような相談を良く頂きます。

「顧問の先生が節税提案をしてくれない」
「ネットで見た節税対策を顧問に相談したら止められてしまった」

こうした声を聞くたびに、「なぜ顧問税理士が節税提案に消極的なのか」を丁寧に説明する必要性を感じています。本記事では、その理由と対策について、私の経験に基づいてお話しします。

※この記事を文章で読むより動画で確認されたい方は、この記事の末尾にある動画をご覧下さい。

1. 顧問税理士が節税提案をしない理由

多くの税理士が節税提案に慎重なのは、いくつかのリスクを回避するためです。
私自身も約8年前までは、節税対策を知っていても積極的にお客様に提案することはありませんでした。その理由を深掘りしていきます。

1-1. 節税のリスクが税理士に降りかかる

経営者に節税の情報を提供したら、多くの場合、即実行したいという話になります。そうすると顧問税理士は、顧問先から「どうすればいいのか」と具体的な指示を求められます。

しかし、多くの税理士が実際に節税提案をしたことがありません。したがって、いざ具体的に節税対策を事項していくとなると、顧問税理士は、以下のようなリスクに晒されることになります。

 1-1-1.業者の信頼性に問題がある場合

例えば、節税商品を選ぶ際に、適切な業者を紹介できなければ、顧問先が詐欺に遭う可能性があります。詐欺被害は結果的に損失として税金を減らすかもしれませんが、それを「節税が出来た」と評価してくれる顧問先はありません。顧問税理士に紹介者責任が発生することになります。

1-1-2.顧問税理士と経営者の信頼関係が崩れる

詐欺とまでいかなくても、顧問先が不満を持つような不適切な業者を紹介してしまうと、顧問先との信頼が損なわれます。顧問契約は、終わりのない継続契約です。信頼関係の崩壊は、顧問業務に大きな支障をきたします。節税提案しないことで発生する不満と、提案することで失われる信頼関係を天秤に掛けると、他の税理士も節税提案しないのが普通なので、提案しない方が得策という結論になりがちです。

1-2.節税提案をフォローする体制の不備

節税対策を実行した後にも、具体的なサポートが必要になります。これを怠ると、結果として経営者の手を煩わせてしまいます。つまり、節税提案が顧問税理士への不満に繋がる可能性があります。

また、顧問先の社長は、税務会計処理は分からないので、節税商品を購入しただけで節税になったと勘違いしていますが、実際に節税効果を発揮するためには、複雑な税務会計処理が必要になります。

しかし、その複雑な税務会計処理をしても、顧問料や決算・申告報酬が増えることはないのが普通です。

結果的に。真面目な税理士であればあるほど、節税提案は「割に合わない仕事」になりがちなのです。

2.私が具体的な節税提案に踏み込んだ理由

税理士と顧問契約をする理由は、多くの場合「申告書や決算書の作成ができないから」という事務的な理由です。しかし、税理士としてお客様に本当に価値を提供するためには、事務作業の依頼料以上の成果を示す必要があります。

その成果とは、単純に「税金を最小限に抑えること」です。

ただの事務作業として考えると、顧問先に沢山納税してもらう申告書を作っても、仕事をしたことになりますが、税理士としての腕の見せ所は、出来るだけ少ない納税額にする「提案」が出来ることだと思います(希に、あえて納税したいというケースもありますから、あくまでも「提案」に留めるべきです)。

つまり、節税に特化したサービスには、顧問先が求めている不可価値があり、それを提供することで、顧問先の納税負担を軽減し、実質的な利益を増やすお手伝いが出来るのです。こうしたサービスの提供に、事務作業を超えた税理士としての愉しみがあります。

3.節税を実行するための具体的なプロセス

私のアプローチでは、次のプロセスを通じて節税を実現します。

プロセス1.正確な着地見込の作成

節税のための月次決算を実施します。節税のための月次決算は、決算作業を12分割してラクをしようというものではなく、狙った数字で決算を締めるために実施します。したがって、月次決算は、ほぼ本決算に近い形で実施し、その結果に基づき、決算3ヶ月前には、最終見込決算値を、正確に計算します。

プロセス2.節税商品の選定

おカネのかからない節税対策はすべて実行したうえで、足りない分を節税商品を購入することで圧縮(繰り延べ)ることを提案します。

もちろん、ただの提案ですから、顧問先はやりたくなければやらないことが出来ます。やらない場合は、納得して(諦めて)納税することになります。

プロセス3.迅速な実行

3ヶ月前に決算着地見込を作成して節税対策を立案すると、残りは2ヶ月しかありません。決定したら直ちに、業者の紹介から契約まで進めていく必要があります。日頃から(毎月)、継続的に節税提案することで、常に業者との関係性が途切れない状態にして、円滑に対策が進むようにしてあります。

4. 顧問税理士に頼らず節税する方法

現在の顧問税理士が節税提案に消極的な場合でも、以下のような方法で節税を実現することが可能です。

4-1. 業者選定を自分で行う

顧問税理士が業者の選定を担うことに不安を感じている場合、自分で信頼できる業者を探す方法があります。相見積もりを取ったり、口コミを確認したりすることで、適切な業者を見つけることが可能です。

4-2.節税専門家に相談する

私のように、節税提案を専門とする税理士に相談する方法もあります。現在の顧問契約を解除する必要はありません。わたしとはセカンドオピニオンの契約を締結して下さい。すでにわたしが複数の業者と面談を実施し、顧問先の社長の本業に支障がない形で節税対策が実行出来る業者だけを選定してありますし、わたしの顧問先が業者と先に取引をして、取引実績のある信頼出来る業者をご案内させて頂きます。

5.まとめ

節税は、単なる情報収集ではなく、具体的な実行プロセスが重要です。顧問税理士との連携を深めるか、専門家に相談することで、リスクを最小限に抑えつつ手取りを増やすことが可能です。

節税に関心がある方は、是非、わたしの節税セミナーに参加して下さい。

6.セミナーのお知らせ

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私の経験では、役員報酬が3,900万円の社長の所得税を9万円に抑えたり、源泉税1,500万円を取り戻したりしています。

すべて税金の仕組みを利用して実現しているもので「脱税」ではありません。

強いていえば、他の税理士が法人税の節税対策で会社におカネを残そうとしているのに対して、わたしが社長の手取りに特化して、社長個人におカネを残そうとしているところが最大の違いだと思います。

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7.動画の紹介

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山口 真導

山口 真導

過払い税金対策専門税理士株式会社アカウンタックス
中小企業の資金繰りを改善するソフトウェアの開発に失敗し、自社の資金繰りがつかなくなる。その時、利益より資金が大事だとようやく気づく。以来、資金繰りの悩みを節税対策と銀行対策で解決する専門家として活動。中小企業経営者のお金の問題を他人事ではなく自分事として捉え解決している。著書に、起業5年目までシリーズで「資金繰りのキホン」と「節税のキホン」がある。

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