会社名(商号)を決めるための9のヒント

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会社を設立するときにまず決めなければいけないのが会社名(商号)です。

会社名は原則自由に決めることが出来ます。しかし、自由だからこそ、どんな会社名にすれば良いのか困ってしまう方が多いようです。

会社名は、一度決めたら何度も何度も使うことになります。だからこそ、後々後悔ないように決める必要があります。しかし、そう考えると益々決めるのが難しくなってしまいます。

そこで、今回、起業コンサルタントの我々が、日頃、起業家の皆さんに提案している会社名を決めるための9つのヒントをご紹介したいと思います。

ぜひ、9つのヒントを使って、納得出来る会社名を付けて下さい。

 

1.自由の中にある制限を知る

会社名は自由に決めることが出来ますが、自由の中でも一定の制限があります。制限を守らなければ、せっかく決めた会社名を使うことが出来ません。下記のルールの範囲内で決めるようにして下さい。

1−1.会社の種類を入れなければならない。

法律で会社名には会社の種類(株式会社、有限会社、合同会社)を入れなければなりません。

第6条(商号)

1.会社は、その名称を商号とする。

2.会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は、合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。

3.会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。

しかし、その種類をどこに入れるかについては会社法に定められていません。したがって、会社名の前、後ろ、真ん中に入れても問題ありません。

しかし、会社名を決める際に、どこに種類を入れるかによって、会社名の印象が変わります。例えば、会社名の前に種類を入れると「株式会社○○」となり、少し固い印象になります。「会社だぞ」という感じがしますよね。一方、会社名の後ろに種類を入れると「○○株式会社」となり、会社名が先に来るため目に入り易くなります。

最近は「株式会社○○」というように、前に会社の種類を入れる会社の法が多い印象です。

1−2.文字の種類の制限がある

会社名に使用できる文字にはルールがあります。以下の文字以外は使えません。しかし、逆に以下の文字であればどんな組み合わせでも可能です。例えば、数字だけの会社名「777株式会社」、ローマ字だけの会社名「株式会社ABC」も可能です。

【会社名(商号)に使える文字】

  • 漢字
  • ひらがな
  • カタカナ
  • ローマ字
  • アラビア数字(0,1,2,3,4,5,6,7,8,9)
  • 一定の符号「&」(アンバサンド)「‘」(アポストロフィー)
  • 「、」(コンマ)「‐」(ハイフン)「.」(ピリオド)「・」(中点)

※「@」や「/」、「¥」は使えません。

例えば、株式会社@ルーシーという社名を使いたくても、少なくとも登記上(正式名称)は「株式会社アットマークルーシー」という風にしか登記できないということです。

1−3.同じ住所に同じ会社名(商号)を使用出来ない

同じ住所に同じ会社名を付けることは出来ません。

例えば、東京都千代田区平河町2丁目11番2号で「株式会社ABC」が存在する場合、東京都千代田区平河町2丁目11番2号で「株式会社ABC」を設立することは出来ません。

そんなことあるわけない。と思った、そこのあなたが、もしバーチャルオフィスの住所を借りて会社を設立しようとしているとしたらご注意下さい。バーチャルオフィスの場合、多くの会社が同一の住所を利用することになりますし、バーチャルオフィス内に全ての会社名が掲示されているわけではないため、万に一つの確率で、この条件に当てはまる可能性があります。バーチャルオフィスを申し込む際に、同一の会社名が無いかを確認するようにしましょう。

1−4.有名企業と類似の会社名は避けるべき

類似商号制度(※)が廃止されたとはいえ、他社と類似の商号を使用することは、後の紛争を招くおそれがあります。

ふざけて有名企業の名前を付けたくなる気持ちも、わたし個人としては理解出来ないわけではありませんが、有名企業と類似の商号は避けた方が良いです。

※同一市区町村内で、似たような商号、かつ目的が一部でも同じ会社を設立することが出来ない制度

ここまではヒントというよりルールの話をしました。絶対外せないところを知ったところで、次からは、本当の意味でヒントを説明していきましょう。

2.覚え易い会社名にする

営業上、会社名を早く覚えてもらえた方が良いに決まっています。

会社名の由来が特徴的だと印象に残り易く、覚えて貰いやすいと思います。

沢山の会社名の由来が見られる「社名の由来.jp」というサイトがあります。このサイトで、知っている会社名を探して調べてみることをオススメします。 そして、その中から社名作りのヒントを得て下さい。

ご覧頂くと、創業地の地名だったり(すかいらーく)、実際にやっているビジネスの英語読みだったり(スタッフサービス)と色々なバリエーションがあることが解ります。

ちなみに、弊社「株式会社アカウンタックス」の社名の由来は、優秀な企業会計の専門家集団を目指すことを表するために、「The best Accountants & The best taxlowyers」から、略して「Accountax」と命名しています。

3.発声し易い会社名にする

名刺交換の際など会社名を言う場面はたくさんあります。

初対面の相手に挨拶をするときに自分の会社名を噛んでしまったら恥ずかしいです。そんな悲劇を避けるためには、次の点に気を付けると良いと思います。

  • サ行は発音し辛い。江戸っ子は「し」を「ひ」と呼ぶ人が多い。
  • 外国人は、促音(小さい「ツ」)、長音(伸ばす音(オーイ)など)、「りゃ、りゅ、りょ」「つ」「ん」が発音し辛い

4.聞き易い会社名にする

会社名は長いよりも短い方が覚えて貰い易いです。

特に四文字の母音からなる会社名は覚えてもらえる確率が高いといわれています。『4文字のマジック』というネーミング戦略というブログ記事もあるほどです。日本には四字熟語というものがありますよね。これ四文字の力を端的に表している事象といえるのではないでしょうか?

例えば、ユニクロやジーユーというブランドを展開するファーストリテイリングという会社がありますが、正式な会社名よりも「ユニクロ」と言われる方が分かり易いですよね。

絶対に四文字でなければならないということはありませんが、長い言葉よりも短い言葉の方が聞き易く、覚え易いのは間違いないようです。

5.書き易い会社名にする

会社を設立すれば、会社名を様々な書類に書くことになります。また、領収書を何度も「書いて貰う」ことになります。お店で領収書に会社名を書いて貰う際、間違えて書かれやすい会社名があります。

  • 長い社名
  • 濁音や促音が含まれている社名
  • 英語表記の社名

は間違った会社名を書かれてしまう可能性が高いです。

領収書など、相手に書いて貰うものに関しては、聞き取り難い→書き難いというパターンもあります。

6.恥ずかしくない会社名にする

会社を設立すると、会社名で呼ばれることがあります。一番回数が多いのが、銀行の窓口です。変な会社名にしてしまうと、銀行の窓口で自分の会社名を呼ばれた時に、周りの人に笑われるなんてことになります。

例えば、豚肉の加工を行っている会社が「株式会社ブタ野郎」という会社名だった場合、豚肉を扱っている会社だということはすぐに分かります。しかし、銀行で「ブタ野郎様」と言われたら回りの人は反応してしまう可能性は高いでしょう。だから悪いということではありませんが、そうしたシチュエーションを考えておくというのも重要なことです。あなたが良くても、銀行の窓口にいく経理の社員が嫌になるということも考えなければなりません。

窓口で呼ばれたら恥ずかしそうな変な会社名を集めたサイトがありました。ぜひ参考に?なさってください。

また、英語だと変な意味になるような言葉は避けましょう。例えば、「カルピス」は英語圏の人が聞くと、「カウピス」牛の尿と聞こえてしまうそうです。また、「クリープ」も同じ発音でも綴りを変えると「気味悪い奴(creep)」になるそうです。(もっと色々知りたい方はコチラをご覧下さい。)

自分が考えた会社名が他国ではどう感じるのか気になる方のために、Nameansというサービスがあります。有料ですが1,980円からとそれほど高いわけではありません。海外と取引をする可能性のある会社は調べておいた方が良いと思います。

7.ドメインを獲れる会社名にする

ドメインとは、インターネット上の住所のようなものです。

メールアドレスの@(アットマーク)より後ろの部分、ホームページのアドレスの、wwwの次から最後までの部分がドメインです。ビズ部のサイトでいうと、ドメインは「kigyou-no1.com」ということになります。

ドメインは同じものがありません。ということは、早いもの勝ちなので、あなたが決めた会社名をそのままドメインとして利用できない、なんてことも起こる可能性があります。

できれば、会社名やサービス名とドメインは一致していた方が分かりやすいです。

ビズ部も、本当はbizubu.comとするべきだったかもしれません。完全に余談ですが、拘りがあって、今のドメインになっています。起業家支援のナンバー1サイトを「目指す」ということで、「kigyou-no1.com」になっているのです。

なお、末日の「.com」とか「.co.jp」にも意味があります。例えば、「.co.jp」は法人専用であり、ドメイン取得の際に登記簿などの書類が必要になります。そのため、相手に初めてメールを送るとき、会社が実在することの証明になります。したがって、会社のHPは「.co.jp」でドメインが取得できると良いと思います。

弊社も会社のドメインは、accountax.co.jpを取得しています。

とはいえ、既に「co.jp」を他社に取得されている場合には、「.jp」や「.com」を取得すれば良いでしょう。「.co.jp」の取得が無理な場合でも、会社独自のドメインであれば信頼性が高くなります。

会社独自のドメインが取得できるかどうかはお名前.comのサイトを使えば簡単に確認することができます。

8.50音順を意識した会社名にする

50音順の前の方の社名にすると目立てるということがあります。

同業者リストや広告協賛リストなどに掲載される順番は50音順になることが多いです。例えば、食品加工の外注先を探している会社があった場合、食品加工業者の一覧から取引をする会社を探すかもしれません。100社以上書かれている中で、上から順番に見ていった場合、当然前の方(ア行)に書かれていた方が見てもらえる可能性が高くなります。

だからといって「ア行」にしなければ見てもらえないということはありませんが、広告費ゼロで露出を増やすチャンスであることは確かです。

ちなみに弊社のアカウンタックスという社名はそういうことも考えて付けました。

9.占いで会社名の最終確認をする

占いが好きな方は、いくつかの候補が決まったら最終的には占いで決めることも出来ます。但し、最初から占いで決めようとすると、土壺にハマって会社名が決まらなくなりますので、ご注意下さい。

アカウンタックスで姓名判断をやってみたら、あまり良い結果ではありませんでしたorz。

10.会社目の決め方のまとめ

会社名(商号)を決めるに当たり、考慮すべきヒントを9つお伝えしました。

まとめると、文字の制限範囲内で、出来るだけ短く、他人に覚えられ易いキャッチーな名前にすることです。

会社名は、途中で変更することも出来ますが、登記の変更が必要ですので、手間とお金がかかります。この記事を参考にして、後悔しない会社名を決めて頂けたら幸いです。

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山口 真導

山口 真導

過払い税金対策専門税理士株式会社アカウンタックス
中小企業の資金繰りを改善するソフトウェアの開発に失敗し、自社の資金繰りがつかなくなる。その時、利益より資金が大事だとようやく気づく。以来、資金繰りの悩みを節税対策と銀行対策で解決する専門家として活動。中小企業経営者のお金の問題を他人事ではなく自分事として捉え解決している。著書に、起業5年目までシリーズで「資金繰りのキホン」と「節税のキホン」がある。

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