保険料の消費税の課税・非課税を理解するための基礎知識

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保険料の消費税の処理について頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?おそらくそれは、消費税法の13種類の非課税取引を知らない方が多いからでしょう。しかし、実は保険料の消費税はそんなに難しく考える必要はありません。今回は保険料の消費税についてご説明を致します。ぜひ、参考にしてください。

 【注】この記事は、公開済みの「消費税の課税・非課税・免税・不課税をわずか2ステップで見分ける方法」を具体的な取引に当てはめて、消費税の課税・非課税・免税・不課税を判定する記事です。判定方法の概要を確認したい方は、上記記事をご参照下さい。

1.結論

結論から説明すると、保険料は(原則)非課税です。保険料というと、大きく、生命保険料と損害保険料に分かれますが、いずれも消費税は、(原則)非課税となります。

また、共済保険の掛金も、消費税法上は保険料と同様の取扱となります。次項から、どうして上記の結論になるのかを解説していきたいと思います。

2.ステップ1:取引を国内取引・国外取引・輸出取引・輸入取引に四分類する

いつものように、2ステップで考えていきましょう。

消費税課非判定 STEP1

保険料が国内の生命保険会社への支払の場合、ステップ2の判定へいくことになります。一方で、国外の生命保険会社への支払の場合には、この段階で不課税取引という扱いになります。

3.ステップ2:国内取引を非課税・課税・不課税に分類する

ステップ1で国内取引と判定された場合、ステップ2で課税・非課税・不課税の判定をすることになります。

消費税課非判定 STEP2

3−1.非課税取引に該当しないかを確認

まず、最初に非課税取引のフィルターを通します。非課税取引は13個あります。これは消費税法に定められたものなので覚えるほか、ありません。覚えられない人は、「消費税の課税・非課税・免税・不課税をわずか2ステップで見分ける方法」をブックマークしての「3.非課税取引の定義」のところで確認するようにして下さい。

保険料は、非課税取引の一つに該当します。

したがって、国内の保険会社に支払った保険料は非課税取引ということになります。

ここで判定は終了ということになります。

4.消費税法基本通達で念のための確認

2ステップ式で無事に保険料は原則非課税という判定となりました。

結論のところに書いた共済掛金について、消費税法基本通達に規定がありますので、それを確認して、この記事を終わりにしたいと思います。

(保険料に類する共済掛金の範囲)
6-3-3 令第10条第3項第13号《保険料に類するものを対価とする役務の提供》に規定する「保険料に類する共済掛金」には、法令等により組織されている団体が法令等の規定に基づき、当該団体の構成員のために行う共済制度(人の生死若しくは傷害又は資産の損失その他偶発的事由の発生を共済金の保険事故とする共済制度に限る。以下6-3-3において同じ。)に基づいて当該構成員が負担する共済掛金のほか、任意の互助組織による団体が当該団体の構成員のために行う任意の共済制度に基づいて当該構成員が負担する共済掛金が含まれる。(平15課消1-13により改正)
(注) 所法令第167条の2《特定の損失等に充てるための負担金の必要経費算入》若しくは法法令第136条《特定の損失等に充てるための負担金の損金算入》に規定する負担金又は租特法第28 条第1項各号《特定の基金に対する負担金等の必要経費算入の特例》若しくは第66条の11第1項各号《特定の基金に対する負担金等の損金算入の特例》に掲げる負担金又は掛金(これらの負担金又は掛金のうち令第10条第3項第13号以外の各号《利子を対価とする貸付金等》に該当するものを除く。)は、令第10条第3項第13号に規定する保険料に類する共済掛金その他の保険料に類するものに含まれる。 

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山口 真導

山口 真導

過払い税金対策専門税理士株式会社アカウンタックス
中小企業の資金繰りを改善するソフトウェアの開発に失敗し、自社の資金繰りがつかなくなる。その時、利益より資金が大事だとようやく気づく。以来、資金繰りの悩みを節税対策と銀行対策で解決する専門家として活動。中小企業経営者のお金の問題を他人事ではなく自分事として捉え解決している。著書に、起業5年目までシリーズで「資金繰りのキホン」と「節税のキホン」がある。

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